看護部
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看護部トピックス➀

『オアシス』2024年1月(VOL.89)



2024年 新年のご挨拶

看護部長 西村久美子

明けましておめでとうございます。
 2024年は辰年です。辰は12支の5番目に位置し、成功の芽が成長し形をえていく年で、「努力すれば実る、活気づく年になる」と言われています。皆さんには踏み出した一歩が形を整えて着実に実りますように応援します。
 さて、昨年10月のある日にこんな事がありました。突然、長崎の看護キャリア支援センターの一人の看護師さんが阿波病院に訪問されたのです。その方は認定看護管理者で、新人教育支援にも関わっているとのことでした。そのほんの数日前に大阪の日本看護学会で看護研究の発表をしてきたスタッフから、現地で、ある方との出会いがあり、研究において当院の新人の離職率が低いことや、先輩看護師の関わりに参考になることがあると声を掛けられ、お話させていただいたと報告を受けていました。その方がまさにその時の方でした。 この日は、当スタッフはちょうどお休みでしたが、副部長と共にその方にご挨拶することができました。後日のメールで、阿波病院の新人教育の取り組みを長崎の看護キャリア支援センターや認定看護管理者、副院長協議会、看護学校に情報提供として紹介してくれるとのことでした。私たち看護部の看護研究がこんな形で日本のどこかでお役に立てることがあるのだと深く感銘を受ける出来事でした。この一件はスタッフならず看護管理者や研究委員会のモチベーションを高め、今後とも患者サービス向上に向け看護の質を上げるため、研究や新人教育を続けていこうと私たちの背中を押してくれる本当にありがたい出来事でした 一緒に学会に参加した「シャボンラッピングにおける可動域制限のある寝たきり患者と実施者への効果」の研究発表のスタッフも目を輝かせて帰ってきて「質問ももらえて、ちゃんと返答できた。小児の点滴の固定法や退院支援などほかの研究発表も参考になりとても興味深かった。」と報告があり、有意義な時間を過ごし成長して帰ってきました。この研究は2年がかりで実施され、12月21日に開催された院内研究発表会でもまとめとして最終発表がありました。看護師にも患者にもメリットのある有意差のある結果がでており、足浴の質を上げる研究となりました。また、2西病棟としては最後の研究になる「ベッド上で食事を余儀なくされる患者への看護師が行うポジショニング技術の評価」は食べる喜びを支える安全安楽な患者サービスの改善につながりました。3西病棟の「病棟看護師が行う認知症患者への口腔ケアの実態調査」では、認知症患者さんの特性や関わりを見直すよい機会となり、口腔ケアのスキルやアセスメントシートの必要性などを気づかせスタッフのモチベーションアップにつながりました。訪問看護STの「在宅療養移行支援において訪問看護師が必要とする情報」は、ACP、チーム医療、家族看護、生活支援など入院時から在宅療養の視点で意図して得た情報をサマリーに落とすことが示唆され、地域や組織の連携に役立つとてもいい研究でした。研究をまとめるにあたり丁寧にご指導していただいた徳大の板東 孝枝先生には大変感謝いたします。
 さあ、春から病棟が再編し、認定看護師(感染管理・在宅ケア)、特定行為修了の2人も帰ってきます。まさに今年は、「成長し形を整える年」です。新体制が順調に運用できるようみんなで頑張っていきましょう。今年もよろしくお願いします


後期研修会報告

9/28 医療安全

リスクマネジメント委員会による「医療安全に関する能力を高める」研修会に12名の参加がありました。動画を見て理解しやすい内容でした。

10/26 リーダー研修

リーダー研修2年目主催による「コミュニケーションの基本について」講義とグループワークがありました。18名の参加がありロールプレイを行い活気がある研修会になりました。

11/30 リフレッシュ研修

看護連盟協賛により、ヨガを体験しました。健康運動指導士の深田比加里先生に指導して頂きました。

12/21 院内看護研究発表

徳島大学大学院医歯薬学研究部、板東孝枝先生に指導を仰ぎ、 4題の発表を行いました。有意義な研究となり今後に繋がるものとなりました。

1/25 感染症対策

標準予防策に基づいた感染対策及び現在流行している感染症について、演習として個人防護具の着脱・蛍光塗料を使用した手洗い確認を、吉野川医療センター感染管理認定看護師、岩佐真弓看護主任より教えて頂きました。


院外研修会報告

第54回 日本看護学会学術集会

2023年9/29~9/30 大阪国際会議場

シャボンラッピングに関する発表を行いました。使用物品についてどのような改善策を検討しているか質問を頂きました。質問を頂き、今後どうしていくべきかを見つめなおすことが出来ました。今回学習したことを今後の看護に活かせるように努めていきたいと思います。

3西 相原詩恩


新人看護師が勤務継続できた要因ー先輩看護師の効果的な関わりーを発表しました。新人の早期離職が問題視されている現状や、当院の離職率の低さについて高く評価してくださり、先輩看護師の態度・発言など新人に対する関わり方を参考にしたい!等意見を頂き今後も効果的な関わりを意識して実施したいと感じました。

3西 上田はるな

日総研6月号 人材育成
執筆依頼がありました






『オアシス』2023年9月(VOL.88)



VUCA(ブーカ)の時代を生きること

看護部長 西村久美子

 近年、日本は少産多死のために人口減となり、急激な若者の減少と急激な高齢者の増加を同時に迎えている。私たちは、過去にも未来にも誰も経験したことのない、かなりの変革の時代の只中にいる。このような時代を「VUCAの時代」と呼び基本的な考え方として持っておかなければならない。VUCAとはV:変動性、U:不確実性、C:複雑性、A:曖昧性のことである。VUCAの時代に生きどう乗り切っていくか。大切なのは「今」をどう乗り切るかということだ。そのためには、①きちんと状況確認をして、②方針を立て、③意思を決定し、④それを乗り越える、つまり、OODA Loop(ウーダ ループ)をどう回すかである。
 また、VUCAには、VUCAで対応するという対応がある。VUCAのVは視座(ビジョン)、Uは理解、Cは明確、Aは適応・迅速である。言い換えると、きちんとビジョンを持ち、状況をクリアに理解し、考えたことをきちんと適応できるか現実性を考えて、できるだけ早く動くことである。2050年には日本の人口の年齢別割合は、21世紀型として安定が予測されている。それまでは、みんなで今を乗り切るために、診療報酬改定、新興感染症、南海トラフ巨大地震と、あらゆる困難にこの基本的な考え方を大いに活用していこう。
 さて、3年間を振り返り、2009年新型インフルエンザが終わっても標準予防策は根付いていなかったと言える。コロナに関係なく標準予防策をしていればだいたいの感染拡大は予防できる。標準予防策をどう現場に根付かせるか、意識させるか、それには病院全体としての体制づくりが必要だ。次年度は診療報酬改定をはじめ、トリプル改定の年である。この3年間で介護施設のコロナのデータから地域の感染管理問題が浮き彫りになった。そのため、次年度からはさらに感染管理における介護施設までを含めた地域連携の仕方に医療機関の強い取り組みが問われる。市町村、保健所の窓口と連携し地域ぐるみの感染対策への取り組みが課される。実際、同規模の公的病院で、近隣の障がい者施設に出向いたり、月1回の感染会議に参加してもらったり、BCP作成にアドバイザーとして携わったりしている病院がある。病院より地域の老健の数は膨大で手が回るのか。感染管理認定看護師とのコネクションの提案からフォローまでが必要である。今後、治療から介護まで標準予防策を一貫するために、アフターコロナと油断せず、シームレスに地域全体として取り組むことが必要だ。近隣施設の施設長を含め地域をどう巻き込むか、真の意味での地域包括ケアシステムが始まっている。

前期院内研修会報告


4月19日 排泄ケア

リブドゥコーポレーション原さんの実技を交えた研修会を開催しました。
実際にオムツを使って実技を行い、理解しやすく好評でした。オムツの当てかた、色々な方法や正しい知識を得ることが出来ました。


4月27日 BLS

正木絵里看護師による院内全体研修を大会議室で行いました。
34名の職員が参加し、適切な救命方法を学ぶことが出来ました。


5月25日 看護研究について

徳島大学大学院医師薬学研究部、板東孝枝先生による講義がありました。
研究メンバーが主に参加し、看護研究についての講義がありました。
12月21日院内看護研究発表会開催予定です。


6月22日 災害時に求められる看護支援活動について

徳島市民病院 猪子美由紀先生による研修会で、19名が参加しました。災害時の行動について、それぞれの役割りで具体的に考えることができ、イメージトレーニングができた等の感想が聞かれました。
災害時の重要な合言葉「CSCATTT」

CSCATTT:Command and Control(指揮と連携), Safety(安全確保), Communication(情報収集伝達), Assessment(評価), Triage(トリアージ), Transport(搬送), Treatment(治療)


7月27日 訪問看護・フットケア・透析について

訪問看護:山本美紀師長、フットケア:藤川理恵主任、透析:武田光弘主任から講義がありました。21名の参加があり、各項目ともにわかりやすい講義で、観察のポイントや看護の実際など、日常の看護に役立てることができる研修でした。


8月16日 糖尿病について、認定看護師・特定行為の活動内容

吉野川医療センター 藤岡恵美香看護師(糖尿病看護認定看護師特定行為修修了)による研修会で、13名の参加がありました。
糖尿病の新しい知識や治療、認定看護師・特定行為の活動が聞けて勉強になり、モチベーションが上がった等の感想が聞かれました。



新年あいさつ

看護部長 西村久美子


 2022年もあっという間に終わり、新型コロナウイルス感染症もオミクロン株に置き換わり、ついに第8波を迎える中、患者さんを守るというスタッフの責任感と感染対策の根気強さに支えられ無事に病院を守ることができています。阿波病院にできたユルキャラはかわいいタヌキですが、今年は、うさぎ年。卯年は飛躍の年。これまで成長や飛躍のために力を貯め準備し育んできたことが十分に実り芽吹き始める年だそうです。実直に努力してきたことが報われ花開き、そしてしっかりと実りますように願います。

 さて今年度は、看護部の目標の大きな柱として「ジェネラリストのスキルを活用した新人教育体制の構築」を掲げ、スタッフに協力をいただいています。先輩看護師の新人への関りを題材にして3階西病棟の看護研究の結果にもありますように、スタッフの温かい熱心な指導が新人を内面からも支えてくれていることが伝わりとても嬉しく思います。みんなで育てる職場風土が今後も根付いてくれることを期待しています。今年の看護研究も、患者さんを第一に考えたテーマで、病棟のシャボンラッピング法(足浴)の効果という、心のこもった2
年越しの患者ケアの研究や、腎センターの災害時初動行動習熟調査というこれまで継続し、積み重ねられた重みのある研究で、患者さんのため、看護の質を上げるため取り組んでいただき嬉しく思っています。

 今年は様々な学会がコロナで3年ぶりに現地開催・現地発表もあり、皆さん刺激を受けて、目をキラキラ輝かせて成長して帰り、院外研究発表で得た成果をいろいろ報告に来てくれています。また、看護目標の「南海トラフ地震に対応する個人レベルで動ける訓練」では、病棟が熱心に取り組んだ防災訓練が消防署の高評価をいただくことができました。中署の消防士の皆様にはご助言を個別に受けることができ大変参考になりました。また、師長主任会が1年を通して取り組んだ感染BCP、キャリア支援体制、広報活動は、危機管理、人材育成、人員確保、看護の可視化と、看護の質を上げ未来に活かせる内容でした。今年もチームとして一人一人が役割意識をもって地域医療に貢献したいと思っていますのでご協力をお願いいたします。

 2025年問題まであと2年。今年も阿波病院の理念である「信頼・奉仕・進歩」のもと看護部理念「あたたかい看護」の提供を胸に、地域住民の皆様が住み慣れた場所でその人らしい暮らしができるよう地域の医療機関と連携して在宅療養を見据えたシームレスな看護を展開していきたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

(「オアシス」2023年1月 Vol.86より)



2023年度上期消防訓練

腎センター 服部一恵


 6月29日木曜日 15:00~16:00 上期消防訓練を行いました。
 始めに消火器の取り扱いについて説明があり、今回初めて参加する新人職員も一緒に消火訓練を実施しました。その後、腎センターに移動し、平日の午後3時ごろ腎センター機械室より発火し初期消火失敗の想定で避難訓練を開始しました。一斉放送や消防署通報、患者・職員への指示、他部署からの応援、透析離脱、レスキューシートによる階段からの患者避難など、緊迫した状況の中、搬送役・患者役も真剣に取り組みました。今後も様々な想定での訓練に取り組みたいと思います 。



令和5年度心肺蘇生・救命研修会

教育委員会 田中副実


 4月27日木曜日、大会議室にて、全職員対象の一次救命処置(BLS)の研修会が開催されました。講師は、毎年、新人研修や地域でのボランティア活動で活躍しているBLS指導者の資格を持つ、当院の地域包括ケア病棟看護師の正木絵里さんが担当しました。冒頭で、流れたメッセージビデオ動画は、救命が遅れ救われるべき多くの大切ないのちが救えなかった事例で、涙を流すスタッフが多くいて1分1秒を急ぐ救命の重要性を再認識しました。講習では、3体の練習用人形と3台のAED、たくさんの「あっぱくん」という心臓マッサージの訓練用具を用意してくれて、3グループに分かれて行いました。講師の丁寧な説明の後、メトロノームを使ってリズムを取りながら、一斉に心臓マッサージや人工呼吸、AEDの訓練が行われました。新人や、普段は胸骨を押しなれない他職種のかたも訓練に参加され、5センチ沈むくらいの強さで押すと音が鳴る胸骨圧迫の体験を体感していました。最後に、押すのをためらうことによるショックの遅れを解決するためにできた、オートショックAEDがパワーポイントで紹介されました。
 最初は緊張気味だった参加者でしたが、熱心な指導による技術体験をし、終了後は緊張も緩み残って練習する人もいました。1時間という時間の制限があるなか有意義な研修ができました。今後も定期的に開催を企画していきたいです。